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純中国製の大型輸送機Y(運)20がついに完成−航続距離7800キロ

軍事力というものはもっている武器の内容でその国の戦略が見えてくる航続距離7800キロ 外征能力を持つ純中国製の大型輸送機の開発と成功が意味するところは何か。

 

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    2016.7.11 04:00更新
【田中靖人の中国軍事情勢】

 

純中国製の大型輸送機Y(運)20がついに完成

 

− 外征能力向上が意味するのは…

 

 

http://www.sankei.com/premium/news/160709/prm1607090016-n1.html

 

 

国広東省珠海で開かれた「国際航空宇宙博覧会」で披露された大型輸送機「Y20」=2014年11月(共同)


中国が開発していた大型輸送機Y(運)20の空軍への引き渡し式典が6日、行われた。中国軍の機関紙、解放軍報が所管するサイト「中国空軍網」などが伝えた。Y20の開発成功は、旧ソ連・ロシアからのIL76の輸入に依存してきた長距離航空輸送能力を、自力でまかなえるようになることを意味し、中国軍の外征能力の大幅な向上につながる。

 

 

「戦略空軍」への一歩

 

記事は式典の場所を明らかにしていないが、発信地は四川省成都。国営新華社通信も短いを記事を成都から配信しており、成都に司令部がある空軍第4輸送師団への配備とみられる。式典には、中央軍事委員会の許其亮副主席(空軍上将)や馬暁天空軍司令員、2月の再編で発足した「西部戦区」の幹部らが席した。

 

許氏は訓示で、Y20は「空軍の戦略輸送能力を高める重要な意義がある」と称賛した。国防省のサイトには、Y20が放水を受ける写真が掲載され、完成を内外に誇示したい意向がにじんだ。

 

台湾空軍の2014年4月の学術雑誌論文によると、Y20は航続距離7800キロで、中国西部からエジプトのカイロまで給油なしに到達できる。最大積載量は66トンと日本の次期主力輸送機C2(積載量37トン)の約2倍で、99式主力戦車(51トン)を輸送できる。その能力は、米空軍のC17グローブマスターIII(同78トン)やロシアのIL76(同50トン)と同程度とされる。

 

旧ソ連・ウクライナ製アントノフ(An)12のコピーで、1980年から中国が自主製造してきた中型輸送機Y8は、最大積載量15トン、航続距離約3500キロ。Y20の能力が大幅に向上していることが分かる。Y20は2007年から陝西省西安の西安飛機工業公司で開発が始まり、13年1月の初飛行まで約6年間でこぎ着けた。ネット上に写真が流出する形で開発が確認された戦闘機J(懺)20やJ31と異なり、開発計画を積極的に公表してきたことも特徴的だ。

 

Y20の完成は、中国空軍が「戦略空軍」に転換する第一歩とみられている。中国の軍事専門家は、今後少なくとも100機を輸送機として導入し、さらに50〜60機を空中給油機や電子戦機、早期警戒機などの派生型として用いるべきだと主張している。


ロシア依存から脱却

 

中国空軍はこれまで深刻な航空輸送力不足に悩まされてきた。1990年、旧ソ連からIL76の購入交渉を開始し、98年までに14機を入手。2005年にはさらに38機(うち8機は空中給油機型)の契約でロシアと合意したが、価格のトラブルなどで納入が遅れ、現在までに合計約20機しか保有していないとみられている。ミリタリーバランス2016年版は、IL76の保有機数を「16機以上」としている。

 

中国共産党の機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版)が6月に掲載したロシアの軍事専門家の見方によると、中国が今後数年間、Y20を量産する能力は1年当たり2〜4機だという。建造設備の拡充よりも作業員の養成が難しいためで、Y20の量産開始後もIL76を輸入する必要があると主張している。

だが、中国が長距離大型輸送機をロシアからの輸入に完全に依存せずに、自前で調達できるようになった意義は大きい。また、IL76は積載能力の限界から、03式空挺歩兵戦闘車しか登載できなかった。Y20が1両とはいえ、主力戦車を登載できることは、中国の外征能力を大きく高めることになる。

 

中国軍は当面、Y20を海外での人道支援や、テロや災害時の自国民の退避活動(NEO)などに使用するとみられる。だが、中国の空挺(くうてい)部隊である第15空挺師団は3個師団計約3万人の兵力を有しながら、航空機の不足でヘリを含めても一度に最大で約6000人しか輸送できないとされてきた。台湾空軍の今年2月の学術論文は、中国空軍が約50機を保有するY8を増産しなかったのは、能力が低く効率が悪いからだと指摘している。

 

将来、Y20の本格的な運用が始まれば、南シナ海や尖閣諸島での有事で、物資輸送や特殊部隊の潜入に使用される可能性がある。さらに、15空挺師団を支援する空軍13輸送師団に配備されるようになれば、空挺部隊を投下する役割も担うだろう。台湾空軍の今年2月の論文は、Y20の就役は「極めて高い戦略的な意義を有する」と分析している。(台北)

 

 

 

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